私が言語聴覚士の資格を取ったのは16年前のこと。
最初の職場は回復期リハビリテーション病院。
その後は失語症特化型デイサービスと、脳卒中等による後遺症を抱えた方に対するリハビリテーションを学んできました。
その後、転居し、自分に子どもが産まれたこともあり、子どもの言語発達について、目の前にいる我が子を観察することで学び直すことになります。
当時、海外(アメリカNY州)に住んでいたこともあり、バイリンガル環境での子どもの言語発達や、現地での療育体制のリサーチ、現地のSTに話を伺ったりとリサーチを続ける傍ら、
日本語での言語療法を希望する、日本人家庭のお子さんへセラピーを行ってきました。
日本に帰国してからは、児童発達支援事業所に勤務。
振り返ってみると、この仕事に就いてからというもの、かなり沢山の本を購入してきました。
そんな私が、この本に出会えて良かったな!と思える本をカテゴリー別に紹介します。
新設の児童発達支援事業所や放課後等デイサービスに勤務する方、
一人職場に就くことになった言語聴覚士、
私のように成人から小児へ転向した言語聴覚士の参考になればと思います。
※追記:2023年に保育士資格を取得しました。改めて学べる良い挑戦だったので、保育士資格に興味があるかたは、下の記事を参考にしてください↓
役立った育児書も後半で紹介しているので、私と同じく日々の育児に奮闘している保護者の方も、ぜひ参考にしてください♪
↓この記事を書いたのは、こんな人
言葉を育むお手伝いをする言語聴覚士。「てんとう虫の子育てブログ」でおうち学習に役立つ手作り教材・おもちゃ等を発信中。
最新の手作りおもちゃは
Twitter(@tenblo10)、Instagram(@tenmama10)で紹介しています。
発達障害等への理解を深める本
発達障害やLD(学習障害)への理解を深め、支援を学ぶのに役立つ本を紹介します。
どの本も読みやすく、内容が入ってきやすい構成になっているのでお薦めです。
学校でできる言語・コミュニケーション発達支援入門
こちらの本は、とても読みやすく、基礎知識が網羅されているだけでなく「発音不明瞭のチェックリスト」や「話しことばの発達チェックリスト」などが載っています。
これが、STではない多職種の方へ、お子さんの現在の様子を伝える時などに、とってもおすすめ。
言語聴覚士のための事例で学ぶことばの発達障害
臨床経験の浅い言語聴覚士に、臨床現場で役立つ目的で書かれたこちらの本。
事例の姿や評価の方法等が、とても具体的に書かれていることでイメージしやすく、
事例の中には、乳幼児期から十数年にわたる長期指導例もあるため、学び多き一冊です。
私自身、この本は何度も読み返しています。
保育園・幼稚園のちょっと気になる子
言語聴覚士 中川信子先生(@mint93791876)の著書。
自閉っ子サンちゃんのライフスキルトレーニング
平岩幹夫先生(@hiraiwamikio)が監修した、自閉症のお子さんへのライフスキルトレーニングを漫画で分かりやすく書いた本。
あくまで漫画の主人公サンちゃんに対するトレーニングで、どのお子さんにも使えるわけではありませんが、臨床で応用できる点を多く学べる一冊。
うちの子は字が書けない
こちらも漫画で「発達性読み書き障害」について描かれています。
生活動作についての本
つまづきやすい生活動作について、作業療法士が「なぜ苦手なのか」を細かく分析すること、そして日常でどうサポートしていくかについてを教えてくれている本です。
発達が気になる子への生活動作の教え方
子どもの構音障害についての本
私は、小児に転向してから、機能性構音障害、器質性構音障害のお子さんを担当していたので、こちらの本は熟読しました。
構音障害の臨床-基礎知識と実践マニュアル-
わかりやすい側音化構音と口蓋化構音の評価と指導法
口の体操グループゲーム集
この本は、デイサービス勤務の時に購入したものですが、子どもとの口を使った遊びのアイデアとしても使えました。
吃音についての本
次は、吃音について。
子どもの吃音 ママ応援BOOK
吃音臨床医である菊池良和先生(@kiku618)の著書。
読みやすく、吃音について学ぶ入門書に良いと思います。保護者の方にもお薦めする本。
ことばの教室の吃音指導 今すぐ使えるワークシート付き
こちらも菊池良和先生の著書。
きこえとことばの教室の先生と言語聴覚士が共著として執筆しています。
吃音症状へのアプローチから困る場面の対応までを、幅広く紹介してくれている一冊。
こどもの吃音症状を悪化させないためにできること-具体的な支援の実践例と解説
吃音についてのリーフレット
私は、保護者の方や幼稚園・児童発達支援のスタッフへ説明するときに、広島市言語・難聴児育成会「きつおん親子カフェ」が作成しているリーフレットをお渡ししています。
とても分かりやすく、無料ダウンロードできるのでお薦め。
リーフレットを取り寄せることもできます。
リーフレットについては、こちらから
保護者支援についての本
療育に関わる言語聴覚士として、保護者支援とは。
保護者の思い、今の心理状況、何を求めていらっしゃるのかなど、沢山の言葉にできない思いまでを深く深く感じ取り、伴走していくこと。
遅れのある子をはぐくむ、親と専門家のために書かれた以下の2冊は、
臨床経験がまだ浅いセラピストなら特に、一読をお薦めする本です。
こころをラクにあたまをクリアに
療育の場に行き着くまでに、親たちがどんな思いをしてきたか、どんな涙を流してきたか、どれだけの不安を抱えているか。
その心を、臨床心理士である大林泉先生が
我が子の育児経験を通して、言語化してくださっている一冊です。
親にとっては、自分の中にある言葉にはしきれないモヤモヤ、悩み、不安、怒り、後悔などを、著者が言語化してくれていることで、読んだ後に何だかスッとするような、
題名通り「あたまがクリアに」なる内容でした。
あとがきでは、「専門家にとっては何気ないひと言なのだろうが、親はいかに傷ついてしまうか」「専門家の意図はわかるが、それが親の思いからはいかにズレているか」とも書かれています。
対人援助職につく人には、(自戒もこめて)一読お薦めします。
発達障害の子どもの育ちを応援したいすべての人にQ&Aで考える保護者支援
言語聴覚士 中川信子先生の著書。
支援する側の具体的な質問に、Q&A形式で答えている本です。
本書のなかにある、「保健分野特有の発想を常にふり返る」という一節を紹介します。
「家庭でのかかわりの改善を図る」「経過を”観察”する」「終了になる」「″問題”がはっきりしてくる」などの言い方について、
関係者同士ではこういう言い方をしますが、ナーバスになっている保護者にとっては、なんとなく「イヤな感じ」になっておられないでしょうか。
…中略…
その伝え方、言い方に、自分たちの慢心が見え隠れしていないか、常にふり返ることが大事だと思います。
自分の子どもの経過を”観察”される、家庭での関わりの改善を図るなんて言葉は、(←今がそんなにダメってこと?こっちも必死なんですけど!!)という、親の心の声が聞こえてきますよね。
それでも、実際に、支援する側の専門家に見られがちな言動です。
上記のような、とても大切な考え方、視点が沢山書かれている本です↓
保護者にお家でできる遊びについてオススメする本
保護者の方に、家でできることはありますか?と尋ねられたときにお薦めするのは、
言語聴覚士 寺田奈々先生(@stkotori)の、お家ですぐに実践しやすい「親子あそび」が紹介されているこちらの本。
ことばをひきだす親子あそび
出会えて良かった育児書
私が個人的に、この本は良かったなと思った本を紹介します。
やさしく学ぶからだの発達
赤ちゃんの体の発達について、ネットで調べてしまうと「〇ヵ月には□□ができる!」と言い切られているような真偽わからぬ情報が溢れているため、正しく発達を学べるこちらの本を購入。
産まれてから1歳あたりで歩行を始めるまでの体の発達について、自分の子を観察しながら学べる良き本でした。
子どもへのまなざし
児童精神科医、佐々木正美先生の著書。
間違いなく良書です。
自分でできる子に育つ最高の言葉かけ
ハーバード大学の教育学博士の著書。
忙しくて子どもと向き合う時間がない、お金がなくて子どもを習い事に通わせられない、というような悩みに対し、「リッチトーク(豊かな会話)」の実践を勧めています。
日々の会話の大切さを見つめ直すことができた本。
まとめ
おすすめ本はまだまだあるのですが、今回は選りすぐりをご紹介しました。
療育関係者の方や、私と同じ言語聴覚士の方などの参考になれば幸いです。
Twitterで発信されている先生については、Twitterアカウントも併記しましたので、そちらも合わせて参考にしてください。
また、良き本と出会いましたら、追記していきます。
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