この記事では、私がバセドウ病を治すために受けた甲状腺全摘出術の経験についてお話します。
私の体験談が、これから手術を受ける予定の方、受けようか迷っている方の参考になればなぁと思って、記事にしてみました。私が手術を受けた当時って、なかなか手術後の体験談がなかったので。。
発症した時のことや投薬治療の経験については、前回記事をご参照ください↓
↓この記事を書いたのはこんな人
児童発達支援事業所で働く言語聴覚士。「てんとう虫の子育てブログ」で育児に役立つ情報を発信中。
最新の手作りおもちゃは
Twitter(@tenblo10)、Instagram(@tenmama10)で紹介しています。
バセドウ病に対する手術の適応
バセドウ病の治療において、どのような方が手術の適応となるか。これについては、私が手術を受けた病院である隈病院のサイトから引用させていただきます。
↓
バセドウ病の手術の目的は、甲状腺ホルモン産生組織を切除して、異常な甲状腺刺激物質(TRAb)が残存甲状腺組織を刺激しても過剰な甲状腺ホルモンが出ないようにすることです。以下のような理由で手術をお勧めすることがあります。
・重篤な副作用(無顆粒球症や肝障害)のために抗甲状腺薬の継続が困難な場合
・バセドウ病に悪性腫瘍が合併している場合
・甲状腺腫が大きく抗甲状腺薬で治りにくい場合
その他TRAbが高いため将来の出産に不安がある方、抗甲状腺薬での完治が困難な方、眼球突出が高度な方、早期に治癒希望の方も手術適応となることがあります。
私の場合、①副作用のために抗甲状腺薬の継続は困難、②TRAbが高いため将来の出産に不安がある、③早期に治癒希望、の3点がマッチしており、手術を受けることに決めました。
甲状腺の手術を受けると決めてから
7月に手術を受けることを決意し、手術日は11月1日に決まりました。
結婚式は10月1日。今の綺麗な(傷のない)首とは、手術を受けてしまったらおさらばだから、結婚式で綺麗な写真をいっぱい撮ってもらおう♪と思って、せっせとブライダルエステに通ったりと、あまり手術のことは考えずに過ごしていました。
手術までは、ヨウ化カリウム丸を服用しており、体調は比較的落ち着いていました。
健康体とは程遠い疲れやすさでしたが、動悸がうるさくて眠れないなんてことはありませんし、道端に座り込むなんてことは無かったです。
甲状腺の摘出手術体験記
あっという間に結婚式を終え、いよいよ手術の日。
私は、それ以前に2回全身麻酔での手術を受けたことがあったので(盲腸と卵巣嚢腫)、恐怖心はそこまで無かったです。どちらかといえば、これを乗り越えたら、元気な体を取り戻せるはず!!と少しポジティブな気持ちでした。
手術室に向かう私を見送る夫の方が、不安そうな顔をしていたのをよく覚えています。
手術台の上に横になり、あっという間に麻酔で意識を失いました。
そして目が覚めたら、手術は終わっていました。
手術後は、ぼんやりとしていて記憶も曖昧ですが、夫が「よく頑張った。よく頑張ったね。」と頭を撫でてくれていたのを覚えています。
意識がはっきりとしてきて、手術後のICUを出る時間になったときに、看護師さんが起き上がり方を教えてくれました。首を切っているので、いつものように仰向けから腹筋を使って起き上がると、首にも力が入ってしまって、痛くて起き上がれないんですよね。
まず体を横にして、上側にある手を、胸の前あたりのベッドにつき、ベッドをぐっと押す感じで上半身を持ち上げる。
この順番は、しばらく鉄則となります(笑)
この流れじゃないと、首が痛くて起き上がれません。
首の傷の両端からはチューブが出ていて、何かの機械とつながっていました。首の中で出血がないか確認するためのチューブだそうですが、チューブが入っている間は、食べ物を飲み込むたびに違和感がすごくて、首の傷が痛かったです。
なんせ何をするにも首が痛いので、ゆっくりゆっくりとしか動けません。。。
この首から出ているチューブは、手術後3、4日で先生がシュッと抜いてくれました。
また、傷口は傷の上下の皮膚をぎゅっと寄せて縫われている感じで、まるでミミズのようでした。これは、傷痕が残りにくくするための配慮だったようです。
首を動かして傷口の皮膚を引っ張ってしまうと、傷の治りに良くないので、周りの皮膚をミミズのように盛り上げて縫い、傷口の皮膚が動かないようにされていました。
入院期間は1週間。
ヘロヘロな感じでしたが、無事に退院となりました。
手術の傷痕について
甲状腺の手術を受けると決めた方なら、どんな傷痕が残ってしまうのか、みなさん気になると思います。
私も当時、ネットで検索して色んな人の体験談や画像をみていました。そして、正直な感想として、けっこう傷が目立つんだなぁと感じていました。
タートルネックやスカーフとかで隠したりしているとゆう記事をみたりして、
え~。夏になったらどうするの?(汗)
と思っていました。
実際、傷痕の残り方は、個人差がかなりあるかと思います。元々ケロイド体質の方は、やはり傷が残りやすいそうです。
当時の私は、傷口を目立たせないための下記のような保護テープを病院で購入しました。
このレディケアテープを貼って、冬だったのでタートルネックを着て隠していました。
それでも、春が来てタートルネックを着れなくなる頃には、もうテープを貼るのをやめていましたね。
(面倒だったんだと思います。。。)
そんな術後を過ごし、10年が経過した現在の手術痕をお見せします。
↓
↓
私の場合、手術痕は目立たないほうだと思います。
手術痕の上にある首のしわの方を、傷痕かと思われることも多々ありますが、そっちはしわです(涙)
正直、手術痕の関しては手術後1年ほど経過してからは、全く気にせず日々を過ごしています。
甲状腺全摘出術を受けてからの日々
手術後の生活も落ち着いてきて、体調も落ち着いてくると、めちゃくちゃ調子が良くなりました。
何より、体調が安定している!!!!
毎日、一定量のチラージンという薬を飲むことで甲状腺ホルモンを補っているので、なんせ体調が安定しています!!ついでに、情緒面も非常に安定しました。
これは私の考えなのですが、自分の【身体】と【意識】って健康なときはあまり意識していなくても、「信頼関係」が存在していると思うんです。
健康な人であれば、大体、自分の体力や健康状態って把握できていますよね。例えば、これくらい動いたら明日は疲れが残るだろうな~とか、徹夜したら翌日はヘトヘトになっても、その次の日には回復してるだろうとか。
極端な話だと、今の体力(疲労度)だったら、近所のコンビニに歩いて行っても、普通に歩いて家に戻ってこれるだろう、とか。疲れて道に座り込んでしまうかもとは、あまり考えないですよね。
それって、自分のパフォーマンスが自分の想定した範囲内であるという、体と心の信頼関係なんです。
しかし、私の場合は、バセドウ病を患うことで自分の身体のことを信頼できなくなっていました。
徒歩5分のコンビニへ行って、ちゃんと歩いて帰ってこれるだろうか…?とか、自分の体力に対する不安感が常にあるんですよね。現に、緩やかな坂の歩道橋を渡り切れず途中で座り込んでしまったりしていたので(←前話参照)
少しの遠出でも、体力が尽きて倒れるかもしれない不安感があり、自分の身体のことを全く信用できなくなっていました。
それが、手術を受けて体調が落ち着くと、少しずつ少しずつ、本当に一歩ずつ、
この距離を歩いても疲れなかった!
こんなに歩いても疲れてない!!
というような経験を、感動とともに積み重ねていきました。
本当に、健康な体への感謝を心から感じました。
まとめ
結論として、私は甲状腺全摘出術を受けて本当に良かったです。
ホルモン値に右往左往することなく、安定した体調を取り戻せたことが一番嬉しい。
そして、首の手術痕に関しては、10年経った今、全く気にならないです。
以上が、私の経験談になりますが、もちろんバセドウ病の病状は人によって千差万別ですし、手術を受けることで後遺症が出る可能性もあります(私は幸いにも後遺症は出ませんでした)。ですので、こんな人もいるんだなぁくらいの感じで、参考にしていただけたらと思います。
最短10分・月額3,278円(税込)から始めるライフスタイルジムchocozap
コメント