日本の療育は無駄だらけ?NY州の早期介入プログラムとは

アメリカの療育

日本で子どもが療育を受けるまでの流れをご存知ですか?

療育とは:障害をもつお子さんや、その可能性のあるお子さんに対し、個々の発達の状態や特性に応じて、今の困りごとの解決と、将来の自立と社会参加を目指し支援すること。

自治体が公表しているものと、実際に子どもを療育に通わせたくて動いた親のリアルな話には、若干の乖離がありますので、この記事ではリアルな体験談の方を紹介します。

一方、アメリカでは、どのような流れで療育がスタートするのか。

アメリカでは、0歳からの早期介入プログラム(Early Intervention)と特別支援教育への理解は、日本に比べ一般社会へ浸透していて支援の種類も多様です。

合理的なシステムを作ることに長けているアメリカ。そのシステムは日本の専門家たちにとって学ぶべきものが多いです。

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日本で療育を受けるまでの流れ

首都圏に住む、Aちゃん親子の体験談をご紹介します。

Aちゃんは1歳半検診で指差しがないことから要観察「様子を見ましょう」と言われます。

Aちゃんは2歳になり、親はAちゃんにまだ指差しと言葉が出ないことが気になり、市の子ども発達課へ相談に行きます。そこで心理士との面談を予約しました。(1ヵ月待ち)

面談の後、まだ2歳ということもあり、サポートグループのパンフレットをもらいました。

家に帰り、さっそく問い合わせてみるも「空きはありません」→なんじゃそりゃ。

Aちゃんが2歳4ヵ月になった時、サポートグループに空きが出たと連絡を受けます。ほっとしたのも束の間、Aちゃんの現状を聞かれ、まだ発語・指差しが出ないことを言うと「じゃあ発達支援センターの方が良い」と言われます。

発達支援センターの面談を受けると、「医者に診断名をつけてもらわないと療育が受けられない」と言われ小児精神科医の予約をとります。(また1ヵ月待ち)

Aちゃんが2歳5ヵ月のときに、ようやく発達支援センターで月2回の療育を受けられるようになりました。

この体験談を読んで、どう感じましたか?

実際のところ、今お子さんが療育を受けている方は、うちもそうだった!という意見が多いと思います。

1歳半で「様子をみましょう」となってから実際に療育がスタートしたのは2歳5ヵ月。

私の率直な感想は「無駄な待ち時間、多すぎ!!」です。

約1年もの間、Aちゃん親子は心配事を抱えつつ、空きが出るのを待ったり、診察や面談を受けられるのを待っている。そして、その間、Aちゃんの親は悩みながらも自分で書籍を買って勉強し、良さそうなものを試したりと試行錯誤されていました。

アメリカ ニューヨーク州での早期介入プログラムとは?

ニューヨーク州では、3歳までの子どもへの療育、早期介入プログラムEI(Early Intervention)と呼ばれています。

0歳~3歳までを対象にしたセラピーで、無料で提供されます。

「療育」は「とりあえず」で始めてよい

前述した体験談のように、日本では療育を開始するときに医師の「診断」が必要となります。

しかし、アメリカにおいて「療育」と「診断」は別もの。

赤ちゃんの成長過程は個人差が大きく、気になる遅れも、個人差なのか診断名がつくものなのかは、3歳あたりまで待たなければいけません。

その間をどう過ごすかの答えが、0~3歳児対象の「EIプログラム」なのです。

とりあえず療育を始め、後に診断がつけば、その後の成長に役立ち、問題がなくても無駄にはならないという考えです。

まず、ファミリードクターに相談する

NY州では、子どもが生まれる前からファミリードクターを決める必要があります。(妻が妊娠中に、お腹の子の親が小児科医に面談を予約。インタビューをして、自分の子のファミリードクターにふさわしいか判断できます!)

この時点で、日本では考えられないシステムですよね(笑)

でもアメリカでは当たり前。

私も、妊娠中に小児科医の予約を取り、夫婦で聞きたいことをインタビューしました。例えば、アジア人の赤ちゃんを診た経験は?蒙古斑について知識はある?(←青あざと間違えられ、医師に虐待と勘違いされないため)など尋ねました。

このように、NY州ではかかりつけの小児科医(ファミリードクター)は生まれる前から決まっています。

そのファミリードクターに、子どもの発達に不安があることを相談します。

すると、ドクターから発達支援サービスを提供してくれる機関へ問い合わせてくれます。

EIサービスコーディネーターへ連絡

ファミリードクター、もしくはその病院が、支援やサービスが必要であるかの査定(Evaluation)をしてくれる機関と連絡を取り合い、専門のコーディネーターが決まります。

担当のEIサービスコーディネーターより連絡が来ます

査定(Evaluation)についての説明を受け、予約します。後日、EIオフィスより生育歴などを記入する書類が自宅に送られてきます。

査定(Evaluation)

担当スタッフが自宅まで来て、子どもに対する面接などを行います。PT(理学療法)、OT(作業療法)、ST(言語療法)など複数のセラピーが必要な場合は、セラピーの数だけEvaluationがあります。

判定については、以下の5エリアで行われます。

  • 認知(学習と思考)
  • 身体(発育・視覚・聴覚・粗大運動・微細運動能力)
  • 意思疎通(理解および言語の使用)
  • 社会情緒(他人との関係)
  • 適応力(食物摂取などの自助スキル)

この5エリアのうち、1エリア33%以上の遅れがあるか、25%以上の遅れが2エリアでみられたらセラピーを受けます。

ミーティング

Evaluationが終了すると、日を改めて、その結果に基づいたミーティングが行われ、セラピーの回数や時間などが決定されます。

セラピストの紹介、施設の見学

2歳未満の場合、セラピストが自宅に来てマンツーマンの個人セラピーを行います。2歳~3歳は、自宅でセラピーを受けるか、学校(保育園など)で受けるか選択できます。

また希望すれば、公園、医療施設でも受けることができます。必要に応じて、週に1回は自宅、もう1回は保育園でセラピーを受ける、ということも可能。

セラピーの方法の決定と開始

セラピー開始後は、半年に1度、セラピーの効果や目標を話し合うミーティングが行われ、子どもに合わせた調整が行われます。

このミーティングは、半年を待たずとも、親が希望すればいつでもセッティングしてもらうことが可能です。

日本の療育と、アメリカのEI(早期介入プログラム)の比較

まず大きな違いは、日本では、療育に繋がるまでに医師の「診断」が必要となること。

でも、医師とて、子どもの未来を予測することはできませんよね。子どもの持つ可能性を低年齢で予測するなんて、誰にもできないことなのです。

そんな幼い時期に「診断」を前提とした療育を考えるより、私はアメリカのEIの方が、時間の無駄が少なく、とても合理的だと感じています。

また、日本で非常に良く使われる言葉

「様子をみましょう」。

私は、ここにも日本の療育現場に大きな改善の余地があると思っています。

様子を見るって何?何をすればいいの?何もしなくていいの??

そんな疑問、誰しも持ちますよね。

おすすめ書籍「ことばをひきだす親子あそび」

「なかなかお喋りしない」「指差しがない」「お喋りが不明瞭で聞き取りにくい」など、言語聴覚士のところには様々なことばの相談が寄せられます。

そんなお子さんたちも、低年齢であるほど、言語聴覚士がお子さんにすることは、ことばを引き出すことを意識した「遊び」

親にとっては、ただ遊んでいるように見えるかもしれませんが、ねらいを持って関わっています。

「ことばを引き出す遊び」は、言語聴覚士だからできるなんてことは全くなくて、お家で、親子の関わりや遊びの中で育めるものなのです。

そんな「ことばを引き出す親子あそび」を集めた本があります。ことばの専門家である言語聴覚士 寺田奈々先生が書かれた本で、ことばの発達段階に合わせた遊びが紹介されています。

ことばの発達が気になるお子さんでも、そうでないお子さんでも、すぐに使える遊びのヒントが集結していますよ!0~4歳のお子さんがいる方は必読です。

まとめ

早期療育について、日本とアメリカNY州を比較しました。

アメリカのEIプログラムに学ぶべき点は多いと思いますが、日本で導入するにはまだまだ障壁が多そう。それでも、他国の教育を知ることが小さな一歩になると、私は考えています。

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