この記事では、4~6歳ごろのお子さんがいる方が気になりだす『ひらがな学習』について、意外と知られていない、とっても大切なことをご説明します。
昨今、早期教育という言葉がよく聞かれます。「〇歳で、もうひらがなが書けちゃう!」とかを聞いて、うちの子は興味すら示さない…と気にする親御さんも多いんですが、まずお伝えしたいこと。
文字にいつ興味を持つかどうかは、か、な、り個人差があります。
お子さんが興味を示し出すまでは、壁にあいうえお表を貼ったり、好きなキャラクターのかるたで遊んでみたりと、『ひらがなの種まき』だけをしておきましょう。
子どもがまだ興味を示していない時期に、親が
ひらがなの練習をしなさい!ここが違う!!
など、あれこれ言ってしまったり、イライラしてしまうのは避けたいこと。
本来、子どもが今まで知らなかったことを知ることは、ワクワクして楽しいことなんです。
子どものワクワクする気持ち、出来なかったことが出来るようになった♪という楽しみを大切に、文字を学んでいきましょう。
そして、言語聴覚士が伝えたい「ひらがなを書く」ことの前に、大切にしてもらいこと。
ひらがな学習の土台についてご説明します。
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ひらがな習得の土台
ひらがなが書けるようになる前に、子どもの中でどんな力が育っているのか。
「ひらがなを書く」ことが「木の枝葉」だとすれば、その土台は「木の根」。しっかりと根を育てることが、枝葉の成長には不可欠なのです。
土台として挙げられるのは3つ、①音韻認識 ②視覚認知 ③語彙力 です。
土台① 音韻認識
音韻認識とは、単語がいくつの音でできているか、どのような音の順番で並んでいるかという音に対する認識です。
例えば「さかな」だったら、「さ」「か」「な」の3つの音でできているな、と分かる力です。
この音韻認識が育っているかどうかは、ひらがな学習において非常に大切なんですが、あまり知られていないんですよね。
例えば、発音が不明瞭なお子さんで「さかな」を「たーな」と発音しているとしましょう。
それが、舌の動かし方の問題であれば「さ」や「か」の発音を練習します。
しかし、頭の中でも「たーな」と認識している場合では、「さかなのさを練習しましょう」と言われても、子どもは「???」ですよね。
この場合、言語聴覚士は、音韻認識の発達を促すアプローチを考えます。
このように、頭の中で、「さかな」を「さ」「か」「な」の3単位が集まってできている言葉だと認識できる力が、音韻認識です。
実際、市販のドリルにも、音韻認識にスポットを当てたものはありません。ひらがな学習といえば、書くのみといったドリルがほとんどですので、私は手作りして息子に音韻認識課題をしていました。
これについては、後述しますね。
土台② 視覚認知
視覚認知とは、目から入った情報のうち、ものの位置や向きを認識する能力です。視力とは異なり、目で見た情報を脳で処理する力。
「め」と「ぬ」を比べて見て、違うなと気付いたりするもの視覚認知力が影響します。(注意力も影響しますが)
土台③ 語彙力
子どもの中にどれだけの語彙があるかも、ひらがな学習の大切な土台です。
音韻認識は、ひらがな学習になぜ必要か?
日本語は、ひらがな カタカナ 漢字を使います。
ひらがな・カタカナは1文字1音と決まっていますが、それぞれには意味を持ちませんよね。
漢字はある程度、文字に意味付けがあるのですが(例えば、「川」は川が流れている様子であったり、「山」は山の形からつくられた象形文字です)、ひらがな・カタカナはその文字(図形)と音のみの組み合わせ。
そのため、音に着目できるかどうかは、文字の読み書きに大きく影響します。
音と図形(ひらがな・カタカナ)を一致させていく学習ですからね。
音に着目するのに必要な力
音に着目するのに大切な力は、この4点。
- 聴力
- 耳で聞いて覚える力
- 人の話すことばに関心を持つ力
- 覚えたものを頭の中で操作する力
音を聞く力が気になったときには、まず「聴力」をチェックしましょう。そもそも、音を正確に聞き取れているか?という点はまず確認したいところです。
上記のように、「ひらがなが書ける」ようになるその土台には、沢山の力が成長していることが大切なんです。
では、具体的にどう教えてあげたらいいの?という疑問にお答えします。
実際に手作りした音韻認識を練習するプリント
私が実際に、息子に作っていた音韻課題プリントはこんな感じです。↓
まずは、日常よく使う言葉で言いやすい単語を使いました。
(最初は、小さい「っ」や小さい「ゃゅょ」が入った単語は混乱するので避けましょう。)
最初は文字のマッチングから。一音ずつ言いながらシールを貼ってもらう。完成したら、一音ずつ指差しながら音読します。
全部できたら、
「た」がない言葉が1つあるね?どれだろう?
と、クイズを出してみたり。
マッチングができるようなら、↓下のように〇を空白にしてシールを貼ってもらいます。
本音を言うと、こういう課題のワークを学研さんに出してもらえたら素敵だなぁと思っています。
自分で作るの、大変な手間ですからね(汗)
市販されているワークですと、こちらがおすすめです!
音韻を意識する、おすすめの遊び
前述したような、椅子に座って取り組む課題じゃなくても、音韻を意識できる遊びをご紹介します。
しりとり
しりとりは、音韻認識を練習するのに最適の遊びです。やり方は説明するまでもないですね(笑)
グリコじゃんけん
じゃんけんをして、グーで勝ったら「ぐ・り・こ」と3歩進む、パーだと「ぱ・い・な・つ・ぷ・る」チョキだと「ち・よ・こ・れ・い・と」と進んでいくゲームです。
これは、体を使って楽しみながら音韻認識を意識づけることができる遊びです。
パイナップル、チョコレートが長過ぎるときは、パーを「パンツ」チョキを「ちくわ」などに変えても良いですね♪
まとめ
お子さんがひらがなを書く練習に取り組むとき。
お子さんが無理なく、適切な時期に、楽しんでひらがな学習に取り組めるように、この「音韻認識」の準備ができているか、心に留めておいてください。
そして、書く練習だけでなく、しりとりやグリコじゃんけんで一緒に遊ぶことで、音韻認識も育んでいきましょう♪
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